恋愛工学は男女を救う
あいかわらずナンパ師のブログを見ている。
ナンパ師は恋愛工学(異性と仲良くなれる方法を体系化したもの?)を教えていることがある。
ブログでもいくつか部分的に読めるので、読んでみると、これがかなり良い。
でも恋愛工学についてネットサーフィンすると女性側の立場で批判的な意見を目にする。
恋愛工学は女性に好かれる技術を体系化して整理したものだから、どうしても女性を一括の対象として扱うことしかできないくて、自分がモノとして扱われていることが不快なのだと思う。
反対の立場を考えればよく分かる。
例えば数年前にニュースになった男の子牧場というインターネットマッチングサービスが分かりやすいんじゃないだろうか。
男の子牧場は、女性向けサービスで、男の個人情報を動物になぞらえて勝手に共有するサービスだった。
当時は人間を家畜に例えるのかとか批判が上がった。
冷静に考えればどうやったらこんな企画がリリースまで通るのか、どうして誰かが止めることはできなかったのかと思う。
中の人は、男の子牧場に放牧される男のことなんて人間と思っていなかったのだろうか。
僕は中の人の人間性を否定したいわけじゃなくて、そのくらい人間は簡単に自分とは関係ない人を非人道的に扱うことができるということだ。
だから女性が恋愛工学を見て恐怖と怒りを抱くのも当然だろう。
でも、僕は恋愛工学を肯定したい。
なぜかというと、女性は一部の男の不器用さ、勘違い加減、単純さ、弱さ、暴力性をかなり甘く見ているからだ。
男女の性愛について、男にも色々なタイプがいるけど、生来の才能か経験を積むことで女性と良好な関係を作れる男は、全男の8割くらいだと思う。
多くの男は自分なりに経験を積んで何とかしようとして、恋人を何人か作ったり結婚したりする。
本当に絶望的な男は少ない。
でも確実に一〜二割はいると思う。
割合としては少ないけど、絶対数としてはかなり多い。
彼らは結構強いコンプレックスを抱えていて、痛々しいほどナイーブだったりする。
いわゆる非モテの恋愛弱者だ。
モテない彼らが自分の思いを遂げられず強く傷ついて自暴自棄になると、最悪の場合、女性に危害を加えることがある。
これは日本の男に限ったことではなく、海外でも同じだ。
特にインドやバングラデシュなどでは、アシッドアタックといって、告白して振られたり、セックスに誘って断られたというだけの理由で女性の顔に硫酸をかけたりする。
貧しい国では硫酸は安価らしい。
被害者の姿はとても痛々しい。
死ぬことは少ないらしいが、皮膚が化学的に溶けてしまうので、以前の顔には戻らない。
それが酸をかけた男の狙いだ。つまり女に生き地獄を味わわせようとしている。
彼らの行為からは、自分のものにならないならば誰のものにもなれない身体にしてやるというエゴイズム、弱さの裏返しによる残虐性を感じ取ることができる。
非人道的で許されない行為だ。
男は女性が期待するよりずっと不器用でナイーブな生き物なのだ。
しかし、一方で重要なのは男は不器用でながらも、女性に認められて受け入れられることで少しずつ確実に成長できる生き物だという点だ。
どうしようもなくモテない男も訓練次第で驚くほど女性に優しく楽しませることができる男になったりする。
でも、モテない男は最初は本当に冗談のように女性のことを考えなかったりする。
自分がされたらどれだけ嫌な思いをするか、そういうことを考えられない。
考えないではなく、考えられないのだ。
あまりにそういう方面の才能がなさ過ぎる。
だから、もはや彼らを責めれば良いという次元ではなくて、何らかの支援をしたほうが皆が幸せになれるレベルなのだ。
仕事だってなんだって、すぐにコツを掴める人ばかりじゃないだろう。
男女関係だって同じだ。
不得手な人を得意な人が補ったほうが豊かな世の中になる。
モテない男が最低限の正しい知識を学べば、モテまくるようにならないまでも男女関係に前向きになれる。
そうすれば、異性と二人で良い関係を作ろうという土俵にやっと上がれる。
そのための効率的なツールが恋愛工学でありナンパなのだ。
だからどうかそのツールを否定してほしくない。
魅力的な男が増えることは女性にとっても望ましいことだろう。
恋愛工学がカラダ目当ての男を量産しているように見えるかもしれないが、真実はそう単純なものじゃない。
長い目で見れば、恋愛工学は男と女の両方を幸せにするものなのだ。