元銀行員の悲しい老後生活
以前NHKで老後のドキュメンタリーで、元大手都市銀行員のおじいさんの老後生活を見た。
おじいさんはこれでもかと自分の過去の功績を自慢していた。
現役時代に他人からもらった名刺を大事に持っていて、自分が載っている会社の記念誌のページを見せてオレが三菱だという感じで誇らしいと言っていた。
でも激務だったからか家族は家を出ていってしまい、孤独な生活のようだった。
若い頃に出張先で見た尺八を仲良く吹く老夫婦が憧れで、ああいう夫婦になりたかったと今の孤独な自分と比べて悲しくなり、カメラの前で泣いていた。
これはどう考えても幸せな老後ではない。
悲惨な老後だ。
僕は彼に責任がなかったわけではないと思うけど、ほとんどは高度経済成長とその奴隷制度の被害者だと思う。
なんとも悲しくなる番組だったけど、大きい教訓を得た番組だった。
今のままの労働環境で生涯働くと彼のような悲しい一生で終わってしまう。
彼はお金があったからまだ救いがある。
退職金がかなり出たのか良さそうな老人ホームに住んでいた。
若い世代にはそのお金もない。
どこかのレコード会社の社長が、仕事が好きで働いてる人間の労働時間を規制するなと言っていたけど、正直頭がおかしいんじゃないかと思う。
必要以上に働くのはそういう働くのが趣味な人に任せればいい。
すべての人が仕事を通じて幸せになる必要はない。
経営者にその価値観を強要する権利はない。
金ももらえない上にこんな悲惨な老後のために、若い頃の多くの時間を仕事に捧げろというのか?
奴隷制度はそういうことを平気で言う。
そもそも無茶苦茶なことを我々に要求しているのだからまともに相手にしてはいけない。
普通の人は必要な分だけ働いて、若いときから自分の時間を楽しめばいい。