どもったら相手に笑われた

僕にとってはいつものことだ。たまに思い出したように笑われる。

こちらは別に何も失礼なことはしていない。相手が初対面の人だったから緊張していたし、質問に真摯に答えたかっただけだった。言葉を選ぶからすぐに声にならない。いや普通の人は僕より頭の回転が早いからすぐに言葉が出てくるのだろう。

この人はそういう人かという裏切られた気持ち、落胆。まあいい。勝手に期待していたのは僕だ。裏切るのも勝手だろう。だけど、まあとても悲しかった。

その人は僕がどもった瞬間、アハハっと無邪気に笑った。これが少年の心を持った男とかいうやつなのだろうか？

こういうイケメンでスポーツ万能でとか表面的なことがイケてる人種は、クソだ。という思いに駆られる。こういう奴は優しくない。他人を傷つけることに罪悪感がない。

期待した僕が悪かった。どうでもいい。もう会うこともない。

こういうことがあるときは、悲しみと同時にハンディがあるメリットにも気付かされる。

人から馬鹿にされたり蔑まれたりするからこそ、友人として長く付き合っている人達は、正真正銘の本物だ。みんな人として素晴らしい人達。尊敬する人達だ。優しい人達。

そういう人達の素晴らしさが分かるのは、僕の数々のハンディのお陰といえる。しょーもない人達とは長く続かないし寄り付かない。自動的に良い人達と仲良くできる。

これで僕が何もかも恵まれている人間だったら、顔だとか人脈だとか金だとかに寄ってくる人間と素晴らしい人達を見分けることは困難だっただろう。そうやって悪い人間に騙されたりする人はいくらでもいる。