この世の全てのモノは借り物だ

ニート的ミニマリスト幸福論

清水建設社長

「建設業は給料が低い、全体で改善すべきだ」  
ニュースアプリで積水建設の社長のインタビュー記事が流れてきて表題がこのタイトルだった。
僕は建設業界にいるので少しはこの業界の雰囲気が分かる。特にゼネコンなどは現場で泥だらけになりながらぎりぎりやっている感じだけど、給与はそんなに悪くはないという印象だ。むしろ給与が少し良いからやめるにやめられないという人も多いと思う。
なので表題を見て、まずお金じゃないだろう、と違和感をもった。現場の人たちは給与を増やしてもらいたいわけではなくて、人員を増やして休みが欲しいのだと思う。
それで本文を読むと、給与が第一でその次にワークライフバランスだという。
積水の社長ほどの人が僕のような底辺人間に言われたくないと思うけど、これは不可能だと思う。普通に考えて、給与を増やすことと休みを増やすことは両立しないだろう。これはどちらかを選択するという類の問題だ。
でも社長は大企業を背負っている。だから業績を伸ばす使命があってそう言わざるを得ないのだろう。
その一方で社員のワークライフバランスを考えて休みを増やしたあげたいと思っている優しい人なのかも知れない。
資本家と労働者の間で板挟みだ。
底辺労働者からすると大企業の社長などは自分達を搾取する悪魔みたいな存在に思うけど、本人は普通の人間だ。もちろん高学歴で仕事もできる人だろう。でも一人の優しい父親であり良き夫であり弱い人間だ。弱音をはきたいときもあるだろう。肩にはたくさんの責任が乗っかっている。
だから僕のような失うものがない者からすると逆に可哀想に思う。本人の個人的な思想はどうあれ職責としてそう発言しないといけない存在。僕は会社の奴隷だけど、社長は社会全体の奴隷だ。鎖が社長の足に繋がれている。
リーガルハイでイケメン弁護士が誰もがルーザーだと言っていたけど、ほんとだと思う。