この世の全てのモノは借り物だ

ニート的ミニマリスト幸福論

酒が弱い

 お酒は飲めたほうがいい。そのほうが生きやすいというか、生きてて楽しい。僕はお酒が苦手で今は一滴も飲んでない。でもお酒の味は好きだ。特にビール味が大好きでノンアルコールビールはよく飲む。誰かと飲んでいる時間も好きだ。だから美味しいお酒を飲み交わすと相手との距離が縮まるというのは事実だと思う。僕も少し前までは無理をして飲んでいた。楽しいし美味しいからだ。
 でも身体は辛かった。飲むとすぐに気分が悪くなって吐きそうになる。それから、アトピー性皮膚炎なので肌がすぐに赤くなって腫れてしまってすごく痒くなる。飲む量が増えれば増えるほど酷くなっていく。飲むのは楽しいけど身体は辛い、そのジレンマが辛かった。自分の身体はなんでこんなにポンコツなのか。ポンコツ皮膚がクソと思ってた。
 特に結婚式とか祝い事の席が辛かった。お祝いしたい気持ちはあるし、新郎のお父さんにビールを注がれたら断われない。顔が赤くなってないかどうか気になって何度もトイレに行って鏡で顔を確認した。赤い顔が目立たないように水色のシャツを着た。新郎の友人に顔赤いですよ大丈夫ですか?と気遣われる。本当に死んでしまいたかった。
 そのうち無理して飲むのが面倒くさくなって見栄を張らなくなった。今は一滴も飲まない。相手がどんなに偉い人でも断る。僕はそんなに頻繁に偉い人と飲むような高い身分ではないけど、大学教授とか取引先の社長とかの場合でも断る。特別な用事がなければ誘いは基本的に断らない。でも酒は断る。当初は相手が気を悪くしたりとか問題が起こるかなと心配したけど、今のところない。それどころかちゃんとアトピー性皮膚炎で辛いからだと理由をいうと、納得というか本気で同情とか心配される。無理やり飲ます人はいない。場がかなり白けた感じになるけど、こちらは知ったことではない。要は多少の抵抗感があるけど、辛い理由をきちんと説明すれば深刻さは他人に伝わるということだ。
 そうだとしても、お酒は飲めるに越したことはない。僕は飲めないのが悔しい。出来ることならお酒が飲める丈夫な身体に生まれたかった。